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2022.1.07ちゃんと笑うこと

 爆笑問題カーボーイにゲストで出てきた鬼越トマホークが面白くて、それから彼らのYouTubeを見るようになった。 今日観てたのは、ウェストランドの井口氏が出てきて爆笑問題の魅力を語る会。 https://youtu.be/My-8SuBkt1w ここで爆笑問題が大御所レベルなのに良い意味で緊張感がなく、若手も気楽に一緒できるかについて、井口さんが「二人とも若手の話に本気で笑うから」と答えていたのが印象的だった。 笑いであれ学問であれ雑談であれ、ある程度歳の離れた後輩のそれを、自分はどこまで真剣に聞いているのだろうか。そういえば昨日のDOMMUNEでも、宮台先生は『カナルタ』の太田監督と割とガチ気味の喧嘩トークになりながらも、監督の主張は根気よく本気で聞いていた。もちろん、いろんな意味で計算されたものだとは思うけど、そういえば宮台先生は他の場所でも、学部生であれ高校生であれ、真剣に、儀礼的に聞いているわけでなく、ガチで聞いている姿が印象的だ。きっと爆笑問題の二人もそういうところが後輩芸人から好かれているのだろう。 翻って、僕の場合は儀礼的関心のケースが多いなと、ちょっと反省、そして内省した。真剣に聞くことからしか開かれない扉ってあるよね。

2022.1.05『ドント・ルック・アップ』感想:テクノユートピアンの描き方をどう捉えるか

 新年なので、どこまで続くかわからないが日々の感想等を日記代わりに箇条書き程度に。 ※コンテンツのネタバレあり。でも、ネタバレしても楽しめるはず。 Netflix『 ドント・ルック・アップ 』が話題なので観た。あらすじは簡単。トランプ的対立の時代を嘲笑する本作は、地球に彗星が衝突して人類が滅ぶことを突き止めた学者(レオナルド・ディカプリオ等)に対して、大統領(メリル・ストリープ)たちは本気にせず、あるいは本気にしても投票=人気取りに躍起になるため、適切な行動を取らないうちに彗星は地球に近づく...というもの。 興味深いのは、政権側に現れる企業バッシュのCEOピーター。おそらくピーターはピーター・ティールが由来か。とはいえ、作品のピーターはそれなりに高齢の、テクノユートピアンぽくない印象。 テクノユートピアンとは、『フォーリン・アフェアーズ・リポート』2021年12月号に掲載されていたイアン・ブレマー「地政学パワーとしてのビッグテック」で、ブレマーが分類したカテゴリー。 ①中国を代表とする権威主義国家のナショナルチャンピオン ②アメリカのGAFA:グローバリスト ③テクノユートピアン →イーロン・マスクや、最近のMETAのザッカーバーグが考えているメタバース+暗号通貨の世界もテクノユートピアンに近い。 テクノユートピアンは、テクノロジーの理想を追求すると素朴に捉えるならば、(ここから超ネタバレ)ラストに冷凍休眠+惑星到着後、裸のお偉方が(おそらく)みんな食べられる、というラストの描き方が、端的にテクノユートピアンの捉え方をやや露悪的に描いており、なんというか、稚拙さを感じた。 マスクは火星への植民を考えている(テスラで培ったEVは、ロケットに転用を考えているはず。多分誰かそういうこと言っているはず)。もちろん、ピーター・ティールとマスクを同列に扱っていいかは議論があるだろう。このあたり、いわゆる暗黒啓蒙関係の書籍を熟読していないので判断し難いが、一部の人々がテクノロジーを駆使して破滅から逃れようとする態度が、なんだか釈然としない。もうちょっとこのあたりの勉強しないとなあ。まあ、結末の食われる、という表現はテクノユートピアンへの批判なのでいいけど、正直つまらないなあと感じた。

思いのほか批評性のある映画だった『3D彼女』

ブログの更新が半年も滞っていた。たまには思ったことをちょこちょこと。 ■noteについて 先日出演したTBSラジオ『 文化系トークラジオLife 』のテーマは「課金」だったのだが、そこでnoteの話題になった(放送はリンク先でも、「ラジオクラウド」というスマホアプリでもきける)。 最近記事が話題になることも多い note だが、記事に課金したり、購読システムがある。共演の 海猫沢めろん先生もやっている のだけど、なかなかおもしろそう。 正直僕が課金しても一切儲からないと思うけど、購読者がいればそこに責任が生まれることもあり、強制的に何か考えていることを(気を張りすぎない程度に)書ける。ブログはほっとくとこうなるけど、かといってTwitterにながながと書くのもだるい。となると、自分の思考メモ代わり兼ある程度人様に見せられるレベルのものをnoteに書くのもいいな、と思った。ちょっと9月中に開設しようかと思う(誰か購読する人いるかな?)。 それはそうとして、本題。 先日、9/14日公開の映画『 3D彼女 』の試写会に行ってきた。一応メディアに携わっている身なので、ありがたいことにちょこちょこ試写会の招待状がきたりする。試写会が縁で『 ザ・キング 』という韓国映画のパンフレットに寄稿したこともある(やはり自由にかけると脱線しつつダラダラ書いてしまう)。 この『3D彼女』、漫画原作の10代向け恋愛映画ということで、ここ数年(いやもう10年近く?)続いてる若手俳優起用した例のやつか、と思っていた。そして僕はなんとなくアレルギーというか、こういう映画は子供だましで、見るのは時間の無駄だと思っていた。 しかし結論から言うと、映画は面白かった。ただし、一般的な意味での面白いとは別。 ■アニメを否定してアニメ化が進行する逆説? 公開前だし、業界のルールに詳しくないのでネタバレは極度に避けるけど(予めご了承ください)、簡単なあらすじを。主人公は冴えないオタク高校生で、ひょんなことから学校でも名高い美人のリア充と恋愛する、というもの。 作品を取り巻くオタクの表現は、戯画化のためとはいえちょっとなあ、というところもあるし、所々表現的に微妙なところが散見される。だけど、僕が興味深かったのはそこではない。 主人公のオタクはある意味でアニメから

会話に注目が集まるIT業界[今週の気になったニュース][ラジオ元ネタ2018.2.20]

今回もラジオで話したニュースの元ネタなどをいくつか紹介。これまでニュース記事のタイトルとリンクを貼ってつけていたが、今回からはタイトルではなくてリンクと内容に関する説明を行うことにした(基本的に順不同)。 ①ZOZOTOWN のおまかせ定期便が開始 https://bouncy.news/9395 ・アマゾンも同様のことを考えているが、zozoスーツのメリットがあるので、zozoで買えば買うほど自分の好みやサイズに関しても知識が増えるという意味で、このサービスがかなり大きいと思われる。 ②ポルシェが旧式の車の部品を 3D プリンターで提供して作成して供給すると発表 http://gigazine.net/news/20180214-porsche-3d-printing/ ・古い家電や車など、小さなパーツは再び作るのが難しい。その、 3D プリンターであれば大量生産のための設備もいらない。 3D プリンターのメリットはこういうところにある。  ポルシェのような車だけでなく、多くの様々な小さい部品ができれば良いな。とはいえ 3D プリンターで銃を作るといった動きも昔からあるので、 3D プリンターでできることできないこと、あるいは「できてしまうこと」に関しての問題点について議論しなくちゃいけないでしょう。 ③番組でも何度も漫画の海賊版の話をしてきたが、どうやら漫画、特にコミックスの売り上げが大幅に落ち込んでいるということが明確になってきた。そこで漫画家協会は海賊版サイトを非難する生命を発表している。 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/13/news090.html http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/16/news061.html ・僕のような人文書等をメインとする書き手にとっては、コミックの売り上げが落ちれば ただでさえ売れない人文書に資金が回ってこなくなる可能性もある。その意味で、漫画の落ち込みは僕にとってもかなり問題なのだ。  音楽も十数年前同じように CD の海賊版が流行った。そこで音楽業界は、 10 年ほど前から Spotify のようなサブスクリプションサービスに移行した経緯があ

ラジオ原稿元ネタ2018.2.13

① 顔認証メガネで旅行者をスキャン —— 中国、すでに7人を駅で逮捕 (ビジネス・インサイダー) こちらも https://media.dglab.com/2018/02/09-afp-02-2/  中国の顔認識技術はすごいもので、監視カメラもいたるところにある。 おそらく東南アジア等への輸出が目的。 ② Twitter、ついに初の黒字に (ITメディア) ③ 「QRコード」付きバレンタインチョコ出現か (ヤフーニュース個人) ・バレンタインはネタとしても、ビジネスの可能性が広がったのは間違いない。詳しくは放送きいてね。 https://www.tbsradio.jp/dc/ ④ 台湾の地震を受けた寄付金デマ 本人は誤り認め、謝罪「インターネットの怖さを痛感した」 (バズフィード) ・デマ、いくない。私刑、いくない(デマ拡散者が実際にどのような人物であれ。それは法が裁くから) ⑤ エストニアの「データ大使館」構想 国とは領土ではなくデータ (DC LAB HAUS) ・エストニアについては本も出て読んだ。 https://www.amazon.co.jp/dp/B01AXRCDZ4 ⑥ 元うたのお兄さんの「あたしおかあさんだから」が炎上するワケ (ヤフーニュース個人) ■番外編 ・ 21世紀最大のビジネスチャンス「ヘルスケア」に挑むAmazonの可能性 (ニューズウィーク) →個人的にすごく興味深かった ・ インテルのARグラスは眼鏡と見分けつかず 超小型で網膜投影 (moguraVR) ・ 学生ベンチャー育てる「N高起業部」 堀江貴文氏ら、入部審査で学生に酷評 (ITメディア) これからがんばっていただきたい。 今週はそんな感じ。

[荒川強啓デイ・キャッチ!]ラジオ元ネタ(2018.2.06)

『 荒川強啓デイ・キャッチ! 』。リンク先で音声きけます。 今週の元ネタ ① 末期患者の「余命」を予測する人工知能、スタンフォード大学が開発 (WIRED) ・こちらも https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180129-00010007-newsweek-int 原論文はこちら https://arxiv.org/abs/1711.06402  すべてが計算できる「ラプラスの悪魔」にも連なる問題だけど、放送で話したように、個人的には技術によって、わざわざ選択しなくてはいけないものが増えてしまったということが問題。  単に技術がない時代は、余命がわからない。だが知らないことを選択するという事は、「余命がわかるのに知らない」という選択をすること。これは端的に知ることや選択肢が増えることを喜べばいいわけではなく、知ることもできるのに知らないを選択するという意味で、心理的リスクを負う判断が増えたということ。その意味で選択肢の増加は人間を幸福にするだけじゃない。 技術哲学では、オランダの哲学者フェルベールが書いた『 技術の道徳化 』という本にも、こうした問題が最初に描かれている。非常に面白いのでオススメ。 ② 「日本eスポーツ連合」設立 国内団体を統合 プロゲーマーの条件は (ITmedia) ・以下も参考 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/01/news142.html https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20171215-00079312/ ・番組ではあまり扱わなかったけど、組織の設立については批判も結構多かったりする。そういう意味で業界内ではかなり議論されている問題。個人的には今後もウォッチしたい問題。 ③ 米IT大手3社 アップル・アマゾン・グーグル、好調 10~12月 (毎日新聞) ・詳しい記事はたくさんでてくる。いくつかリンク貼っておく。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26401370R00C18A2000000/ http://gigazine.net/news/20180202-amazon-q4-20

[荒川強啓デイ・キャッチ!]ラジオ元ネタ(2018.1.30)

『 荒川強啓デイ・キャッチ! 』。リンク先で音声きけます。 今週の元ネタ ① AI製「有名女優のポルノ」が爆増 (GIGAZINE) ・いずれ何が人で何がコンピュータか、ますます区別がつかなくなるでしょう。先週Pornhubでスタジオが盛り上がったので、やや意図的に選んだ(笑) ② 枝野幸男氏が、草津白根山の噴火被害者を「心からお祝い」したとネットで拡散 ⇒ 実際には… (ハフィントンポスト) http://www.huffingtonpost.jp/2018/01/24/edano-katsuzetsu_a_23342922/ ・なぜ、どう考えてもおかしいと思えるもので炎上するのか。これは立憲民主でも自民党でも変わらない。事故で被害に合った人を嬉しいと思う人はいない。故に何らかの心理的反応によって間違えたのではない。 →本当は思っていることを隠して逆のことをいったりする場合、思わず言葉に出てしまうことがあるが、これはそういった案件とは全く違うということ。 ③ 子どもたちを狙う危険な動画コンテンツ「エルサゲート」って何だ? (エストニア共和国より愛をこめて) ・全然知らなかった現象なので、ブログ主さんに感謝。目的が全くわからない。 →中国でも問題になってる http://j.people.com.cn/n3/2018/0123/c94475-9418899.html ④ 洗剤を食べる「Tide Podチャレンジ」が少年少女の間で大流行、専門家が警鐘を鳴らす (GIGAZINE) ・確かに子供がみたらうまそうと思うかもしれないが、昨今おいしいものは山ほどあるので、子供はむしろ禁止されるからこそ食べたいのだろう。 →最終的にはメーカーがデザインを変更すべきなんだろうけど、多分このデザインだから売れる、という側面もあってやめられないんじゃないかなー。 ⑤ 「HomePod」がようやく発売へ--出遅れたアップルに残されたチャンスとは (CNET JAPAN) ・値段も高いし、発売されてみないとなんともいえないなあ。 ■番外編 犯罪発生 AIで予測 神奈川県警が全国初 東京五輪までの運用目指す (産経新聞) ・どこまでAIを活用するかわからないけど、アメリカではアルゴリズムに偏見が混じっていたせいで大問題になったりしてる。詳しくは僕の記事を参