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6月, 2017の投稿を表示しています

インフルエンサーと広告のあり方[デイキャッチ補足]

2017年6月13日の『荒川強啓デイ・キャッチ!』で話したテーマはインフルエンサーについてだった( 音声はこちら ) インフルエンサーは文字通り影響を与える人のこと。インターネット,SNSといった双方向メディアの影響もあり、私生活のわからない銀幕のスターよりも、読者モデルのように一般人の要素の強い人々が人気を得ている昨今(会いにいけるアイドル)。インフルエンサーは投資対効果も高くSNS界隈で需要が加速している。例えば以下の記事 「 インフルエンサーマーケティングの現状:要点まとめ 」(DIGIDAY,2017/6/7) とか、わかりやすいところだと以下 「「インフルエンサー」とは?〜今さら人に聞けないマーケティング用語をおさらい!」( ソーシャルメディアマーケティングラボ ,2013/6/12) イギリスではゾーイと呼ばれる女性の ユーチューブチャンネル登録者が1000万人 を越えて、少なくともユーチューブだけで 月収が5万ポンド(71800ドル) なんていうニュースもあったり。中国ではネットセレブをは「ワンホン」と呼ばれ、モデル出身の女性はCtoCのショッピングサイト「タオバオ(淘宝網)」で 記録的な売上を叩き出している 。 ついでに述べておけば、中国ではLINEのようなメッセージングアプリ「Wechat」で自らチャンネルを開設し、生配信ができる(日本のLINE LIVEのようなもの)。そこではユーザーから投げ銭ができるシステムになっており、アイドルなどが登場しているようだ。投げ銭は金銭目当てに過激な行為に走ったりすることもあり、また投げ銭を通して主に年少者の配信者に犯罪行為をそそのかす輩が出たりと、問題も多いと思うのだけれど、とにかくこうしたものも流行っている(日本でもドローン少年問題が話題になったが、そのとき投げ銭システムが議論された)。 日本でもLive shopというアプリが公開され、インフルエンサーが スマホでみえる動画で商品紹介をしている 。またインフルエンサーが行う商品のブツ撮りサービスをはじめたところ、 プロよりも高価格にもかかわらず人気が殺到している という話もある。どこまで続くかはわからないが、まさに素人革命というか、より身近な存在が求められていて、ますます半径5メートルの世界をいかに快適にするか

中国のサイバーセキュリティ法について[デイキャッチ補足]

6/6日放送のTBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』では、6/1日施行の中国サイバーセキュリティ法について扱った( 詳しくはサイトから音声をきいてください。 でも一週間で消去されるので、 TBSラジオクラウド ならもう少し聞けるかも。) 元ネタとなった記事は以下を参照 「中国、ビッグデータ統制 持ち出し規制の新法施行」 (日経、2017/6/2) 「中国が主張する「サイバー主権」って? 言論統制強化へ「セキュリティー法」施行」 (産経、2017/6/1) 「中国、サイバーセキュリティー法施行 曖昧な中身に企業困惑」 (CNN,2017/6/2) また放送後(放送日?)にもより 詳細な記事 も出てます。 法律の 原文はこちらから 。グーグル翻訳を使えば中国語がわからなくともなんとなく雰囲気は伝わるかも。 またこちらの法律、106社の企業にアンケートしたところ、 9割以上は内容をよく知らない 、というニュースも出ています。 番組でも述べた通り、この法律はプロバイダーが政府の要求に応じてユーザーの個人情報を提供しなければならなかったり、58条には政府によるインターネットシャットダウンを合法化するなど、大きな問題になっています。 同時に、海外企業はユーザーデータを中国内に保存しなくてはならず、データ越境に際して許可制になります。さらに当局が判断すればそうしたデータを海外企業は当局に開示しなければならなくなりました。これら技術協力はその表現が曖昧で、何をどの程度要請されるか、現状ではわかりません。だからこそ海外企業は不信感を募らせています。だって、曖昧だからこそ目をつけられたら何されるかわからないじゃないですか。曖昧な表現は自粛や萎縮を呼び込むということです。 中国は世界経済の重要なプレイヤーですから、企業活動する上でこうした障壁は大きな問題です。ニューヨーク・タイムズ紙などをはじめとして、欧米では日本以上にこの問題を大きく扱っています(むしろ日本の扱い、ちっちゃいなあ)。 「China’s New Cybersecurity Law Leaves Foreign Firms Guessing」 (NYT,2017/5/31) 中国は数年前から海外のIT企業を押しのけたい、という意向があったので、このニュー

[Wedge]ウェブ連載を更新しました。

2013年からWEDGEで連載している記事を更新しました。 電子決済の普及で中国人が「道徳的」に? 透明化する個人情報が孕む諸問題 ややタイトルが釣りっぽいですが、これは以前デイキャッチでも話した内容です。アーキテクチャが人々の道徳に介入する、という古典的な問題がある一方、問題を批判するだけでなく、リバタリアン・パターナリズムの側面から物事を捉えることは可能か、という問いを立てました。 字数的に最後の論点は提示しただけに終わってしまったのですが、別の問題を使って深掘りしたいテーマです。

ウェルク後の検索事情とヘルスケア大学について[デイキャッチ補足]

5/30日のTBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』でウェルクについて扱った( 音声はこちらから )。 Twitterでもつぶやいたけれど、元ネタとなった主な記事は以下 「WELQの方がマシだった? ネットの医療情報は今、どうなっているのか」 (BuzzFeedNews,2017/5/24) 「 WELQ退場から半年。事件は医療・健康系検索結果をどう変えたか? 」(web>SEO,2017/5/24) 「 Googleは情報の正しさを判断するようになるのか? 偽ニュース対策で検索アルゴリズムを更新したGoogleのベン・ゴメス氏に聞く 」 (web担当者Forum,2017/4/26) 放送内容を簡単に言うと、内容に問題のある医療情報サイトはなくなっておらず、それどころか検索内容によってはより問題あるサイトが検索に表示されてしまうというものでした。 グーグル様をもってすれば検索エンジンのアルゴリズムなんて簡単に変更できるんじゃないかと思っていたけれど、記事を読む限りは難しそうです。もちろんグーグルもビジネスでやっているわけだから、ある程度いじれないアルゴリズムもあるだろうが、それでもピンポイントで知りたい情報になればなるほど不正確な情報にたどり着く可能性が上がるという指摘は、グーグルを利用する僕達にとっても重くのしかかる課題だろう。バズフィードの記事にあるように 「信頼性を重視しすぎると有益な情報が探せなくなり、ユーザーの要望を重視しすぎると健康被害をもたらす情報がでてしまう」 という問題は、我々にとっての課題だと思われる。 とはいえ、やはり不正な情報を掲載するサイトが、広告費を使ってバンバン不正情報を世間に垂れ流すのが一番の問題だ。そこにはグーグルのようなプラットフォームの責任も重大だろう。お隣の中国では、検索大手のバイドゥの上位に上がった詐欺集団に騙され、命を落とした被害者が出てしまった事件もある( 「 男子大学生の死が投げかけた波紋--百度と中国式検索の信頼性揺らぐ 」 )。 昨年のフェイクニュース問題に端を発するネット情報の『正しさ」をめぐっては、一層プラットフォームの責任が問題視され、FBもグーグルも対応を急いでいる。 ◾「ヘルスケア大学」について 補足というより結論を再び述べたような投稿になって

テスト兼初投稿

塚越健司です。 ほぼ更新が滞っていたブログに代わって、こちらでブログをはじめました。 それに合わせて HPもつくってみました 。 ウェブで発信する場所はふたつあって、ひとつは2013年からやっているWEDGEの 「 サイバー空間の権力論 」という連載。もうひとつはあまり更新できていないYahoo!ニュース個人「 塚越健司の情報社会学、社会哲学の視点から 」というのもあります。 ここでは毎週レギュラーでコーナーを担当しているTBSラジオ『 荒川強啓デイ・キャッチ! 』で扱ったニュースの補足や書評など、記事にするほどでもないけど Twitter で一言つぶやくには足りないものを発信していこうと思います。 どれくらい書けるかわからないけど、いつもなんとなく思っていることを、生焼けでも発信できたらいいなと思ってます。 ではでは、まずはこんな感じで。HPもブログも順次アップデートしていくので、まだ簡素なものだけどより充実したものにしていきたいなと思います。